柚と柊の秘密
あたしは健吾君を見る。
その視線が絡まって、さらに身体が熱を持ち、ドクドク心臓が動きだす。
今日は本当に……
人生で一番幸せな日でした。
素敵なライブが出来て、好きな人と結ばれて。
嫌で仕方なかった柊の代わり。
だけど、やってみるとなかなかのものだった。
ヒュー!!
優二君が指を鳴らす。
そして、
「これだから嫌なんだよ、バンド内恋愛って」
そんなことを言う。
一瞬、胸がズキンと痛んだが……
「憎いな、健吾。
幸せになれよ」
満面の笑みでそう言ってくれて。
その言葉にはきっと裏がなくて。
ただただ幸せだった。
ありがとう。
今日の幸せは、みんながいたから味わえたもの。
本当に、ありがとう。
「お前ら、最高の仲間だよ」
優二君の言葉に、再び涙が出そうになった。