柚と柊の秘密





俺はみんなに聞こえるように、大声で言う。




「山形!

これから俺のウザさを存分に味わうがいい!!」



「はぁ?」



「うぜぇほどお前につきまとって、俺の虜にしてやる」



「!?」





山形は俺を見て、顔を真っ赤にする。

そんな山形が可愛くて愛しくて。





「ほら、今日のデート、どこ行く?

負けた俺を慰めてくれよ」




そう言って山形の手を握ると、案の定電流が流れ、俺がふにゃふにゃになってしまう。

たいした女だ、山形は。





「ちょっと、柊先輩?

どうして山形先輩なんです?」




驚き慌てる後輩マネージャーに俺は告げた。




「こいつ、俺の彼女だから」





雲ひとつない青空に、女子たちの悲鳴が響いていた。



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