柚と柊の秘密
「柚、宿題忘れるなんて珍しいね」
春菜ちゃんはそう言って首を傾げる。
柚のやつ、毎日宿題やってんのか。
さすがだな。
俺は感激しながら席を立った。
「どこ行くの?」
「ちょっと柊に用事」
「え?柊君のところ?」
驚く二人。
何だよう。
怪訝な顔をした俺を見て、真帆ちゃんが口を開いた。
「いつも柚、柊君のこと避けてるのに?」
は?
俺様を、避ける?
柚のやつ……
「今日はちょっと気になることがあって」
俺は苦笑いを返していた。
そうだ。
柚を見にいかないと。
ちゃんと俺をやってくれているのか?
ヘマしていないか?
自分のことは棚に上げて、柚のことが気になりすぎる。
俺は教室を出た。