柚と柊の秘密
「ふっ!」
思わず笑ってしまった。
やべー。
盗み聞きバレたら面倒だよな。
そそくさとその場を去ろうとしたが……
「……誰?」
モテない女の声が聞こえ、
ガラッ……
扉が開いた。
俺は薄ら笑いを浮かべたまま、モテない女を眺めていた。
モテない女……。
俺は彼女を知っている。
決してモテないはずではない女。
でも、俺様にとったら、山形みどりと同じくらい魅力のない女だった。
派手な茶髪にこれでもかという厚化粧。
後ろから見たらカワイイが、前から見たら不潔ドブス。
そんな彼女は、俺の学年でも目立っている部類のギャル、浅井だ。