柚と柊の秘密



「あんた、マジムカつく。

柊君の妹だからって容赦しないからね」



「訳分かんねーよ」




俺は吹き出しながら答えていた。




「それに、柊がそんなに気になるなら、柊に話しかければいいじゃん。

陰でニヤついて見てて、チョーキモいんですけど!」





俺は馬鹿だ。

柚がこんなこと言うはずないのに。

浅井が愚かで面白くて。

ついついからかってしまう。





浅井は壁ドンの手を離し、資材室の中にいた二人の仲間に合図する。

そして、




「戸崎柚!

あんたのこと、許さないから」




そんな捨て台詞を吐いて、仲間とともに去っていった。

俺は相変わらずヘラヘラ笑って、浅井の後ろ姿を見ていた。





少しムカついたんだ。

俺のせいで、柚のことを恨んでいて。

俺、滅茶苦茶するけど、柚のこと好きなんだもんね。




< 49 / 363 >

この作品をシェア

pagetop