柚と柊の秘密
「あんた、マジムカつく。
柊君の妹だからって容赦しないからね」
「訳分かんねーよ」
俺は吹き出しながら答えていた。
「それに、柊がそんなに気になるなら、柊に話しかければいいじゃん。
陰でニヤついて見てて、チョーキモいんですけど!」
俺は馬鹿だ。
柚がこんなこと言うはずないのに。
浅井が愚かで面白くて。
ついついからかってしまう。
浅井は壁ドンの手を離し、資材室の中にいた二人の仲間に合図する。
そして、
「戸崎柚!
あんたのこと、許さないから」
そんな捨て台詞を吐いて、仲間とともに去っていった。
俺は相変わらずヘラヘラ笑って、浅井の後ろ姿を見ていた。
少しムカついたんだ。
俺のせいで、柚のことを恨んでいて。
俺、滅茶苦茶するけど、柚のこと好きなんだもんね。