柚と柊の秘密
「お……お父さん……ごめんなさい」
あたしはリビングで仕事の本を読んでいたお父さんに頭を下げた。
謝っても謝っても謝り足りない。
だってあたしは、数百万円を駄目にしたんだから。
お父さんは頭を下げたあたしを驚いて見た。
そして、どうしたのと聞く。
やばいよぉ。
心臓がバクバク言う。
お父さん……
どんな反応するんだろう。
「あたし……お父さんのギターを……」
「?」
「数百万円を……壊しちゃった……」
そう言って、ぶらんと弦の切れた茶色いギターを差し出した。
お父さんはそれを見て、驚いた顔をしていた。