柚と柊の秘密
落ち込んでいるあたし。
どう謝ったら相手が嫌な気にならないかとか、理解してくれるかとか、そんなことばかり考えていた。
自分でも嫌になる。
あたしは、変なところで人のことを考えすぎてしまう。
柊みたいに図太くなれればいいのに。
こんなあたしに追い打ちをかけるのが、
「柚、どうだった?」
呑気な柊だ。
柊はあたしそっくりの顔でニコニコ、いや、ニヤニヤ笑いながらあたしに聞く。
「どうだったも何も、散々だったよぉ!」
何とか正体がバレなかっただけでも奇跡!
これから、こんな茶番続けること出来ないよぉ。
やっぱり平穏な女子高生生活に戻りたい。
「そっか。残念だったな」
他人事のように言う柊。
柊が原因だっていうのに。
「散々か。
……豪快なヘディングシュート決めたり、女子に笑顔で手ぇ振ってんのに散々か……」
柊……なんで知ってるの?
ストーカー?
ヘディングシュートはまぐれだし、女子と仲良くするのは柊がそうしているからでしょ?