柚と柊の秘密



これで終わると思っていた。

だけど、一筋縄ではいかないのがいじめだ。




「みどり、調子こいてんじゃない?」




クラスの女子から声が上がる。




「サッカー部では、柊君を散々敵対視して。

そのくせ柚に言い寄るの?

都合いいんじゃない?」




都合のいいのはお前だよ。

俺、いじめられてんのに訳分かんないな。





山形は顔を紅くしたまま彼女を睨む。




「柚に言い寄ってもどうにもならないのにね」



「そうそう。月とスッポン」



「柊君は柚と双子で嫌だって言ってたよ」





やべー。

俺の頭、パンクしそうだ。






俺のことなら好きなように罵ればいい。

でも、柚のことを言う奴は許せない。

俺、いつそんなふざけたこと言ったんだよ?

悪いけど俺、柚のこと大好きなんだから。



< 77 / 363 >

この作品をシェア

pagetop