柚と柊の秘密
これで終わると思っていた。
だけど、一筋縄ではいかないのがいじめだ。
「みどり、調子こいてんじゃない?」
クラスの女子から声が上がる。
「サッカー部では、柊君を散々敵対視して。
そのくせ柚に言い寄るの?
都合いいんじゃない?」
都合のいいのはお前だよ。
俺、いじめられてんのに訳分かんないな。
山形は顔を紅くしたまま彼女を睨む。
「柚に言い寄ってもどうにもならないのにね」
「そうそう。月とスッポン」
「柊君は柚と双子で嫌だって言ってたよ」
やべー。
俺の頭、パンクしそうだ。
俺のことなら好きなように罵ればいい。
でも、柚のことを言う奴は許せない。
俺、いつそんなふざけたこと言ったんだよ?
悪いけど俺、柚のこと大好きなんだから。