柚と柊の秘密
最後の卵攻撃をさらりとかわし、俺は道を歩いた。
暇だ。
サッカーも出来ないし、女の子とデートも出来ない。
家に帰ってもいいけど、することないし。
街に行って俺様の魅力で男でも落としてみるかな。
そう思った時……
「戸崎さん」
もはや誰か分かるその声が聞こえた。
放課後まで山形かよ。
勘弁してくれ。
俺はいやいや振り返る。
今度は何の用だ。
だけどそこにいたのは、やっぱり俺の知っているオトコオンナ山形ではなくて。
「あの……もし良かったら……」
女の子みたいに眉を寄せて俺を見ていて。
「この後お茶でもしない?」