柚と柊の秘密
なんだよ、それ。
俺がもとに戻ったら、山形のこと散々責めてやるからな。
それに、誰が山形とお茶なんかするのかよ。
山形と何を話せばいいんだ?
そう思ったのに、
「あたし、戸崎さんと友達になれて嬉しいんだ」
山形は少し頬を赤くして笑う。
なんだなんだ、その女の子の動作は。
それに山形、柚と友達になりたかったのか。
俺には敵対心剥き出しなのに。
よく分からない女だ。
「今回は戸崎さんがあたしを守ってくれたけど、次はあたしが戸崎さんを守る番だよ?」
十年早ぇーよ!
なんて言えなかった。
山形のくせに、素直に嬉しくて。
あれだけいじめられているのに、山形はまだ俺のそばにいるつもりなんだ。
「ありがとう」
俺は生まれて初めて山形に笑顔で言った。