吸血鬼、頑張ります。
「さあ、皆さん!今夜はお祭りですよ!!
早速ですが浴衣を用意致しました」
イブはいつの間にか購入していた浴衣を女子達に披露した。
「さあ、好きなものを選んでください。
因みに、この浴衣。
神社のお賽銭で、ネットで購入致しました」
「つーか、イブちゃん!うち、ネット繋がるんだね?」
「ええ。冥府ネットですよ。地下社会には、便利なお店が沢山ありますし、いかんせん安いのが魅力ですね」
「地下社会?まさか、そんな場所が?」
「皆さん可愛いので、どれもとても似合うと思いますよ」
香織は大人っぽい黒色の朝顔柄をチョイス。
沙織とひよりは色違いの白と黄色の浴衣。
イブは小豆色の浴衣。
鉄観音は何故か新撰組の衣装だった。
「オカシイだろ!これ!なんでコスプレだ!」
猛然とイブに抗議する鉄観音。
「フムフム。似合っておりますよ、王。
私の趣味にぴったりのチョイス」
「これが?うわ〜・・・。イブちゃんの書斎に並んでたホモ漫画とそっくり・・・」
鉄観音は顔面に痛烈な蹴りを受け、
キリモミしながら吹っ飛んだ。
「BLを、ホモ漫画と言うな!!!芸術だ!このシレ犬めが!!!」
【誠】
の文字を空に向け、
鉄観音は呻くように言う。
「ど、どうも誠にす、すみません・・・」
髪型も決めた四人と、
蹴りが決まった一人は、
皆に気付かれないように静かに、夏祭りの中に紛れ込んだ。