吸血鬼、頑張ります。
『それでは、本年の魔導演武大会を開催致します』
司会が開会を宣言した。
聖ルボルグ学園特進科体育祭
通称・魔導演武大会
何て言う事は無い。
体育祭に魔導的要素を取り入れた体育祭である。
小中高の特進科全員が参加し、大会は3日間続く。
小中高二クラスずつの奇数クラスと偶数クラスが、紅白に分かれて体育祭で激突する。
紅白どちらかの優勝チームは、体育祭終了翌日から学食が1年間無料になる。
その為、紅白両チームは燃える。
本気で勝ちにくる。
聖ルボルグ学園の学食は、何気に美味しく、メニューも学校とは思えないほど豊富である。
管理栄養にも特化した学食は、給食も含まれている。
全寮制であるために、晩飯も学食であり、朝食もそうだ。
体育祭優勝特権は、全生徒にとって素晴らしく魅力的だった。
香織は訳も分からないまま、体育祭に参加する。
「香織さん。貴女には綱引きと、玉入れに出て頂きます」
学級委員にそう告げられた香織。
香織は通常の綱引きだと思った。
意外に地味な体育祭だと考えた。
しかし、実際の綱引きは。
紅白二組に分かれた、生徒全員による超巨大な、そして凄まじく長い綱を引き合う
今までに見たこともない綱引きだった。