吸血鬼、頑張ります。
夜の内に3人は病院を抜け出す。
死んでしまった人間が生き返るなど、現代の常識から逸脱している。
吸血鬼とゾンビの3人。
生き生きと、街へ走り出した。
香織は走っている時に驚いた。
いくら全力で走っても、息切れをしないのである。
そして、裸足にも係わらず、痛みを感じない体。
そんな時、赤信号を見落とす。
トラックがかなりの速度で香織目掛けぶつかって来た。
あ!死んじゃう!!
ドドーン・・・。
キキキキキッ!!
トラックが急ブレーキで止まった。
鉄観音と沙織は慌てて止まる。
香織は無残にも体がバラバラに弾き飛ばされていた。
「ああ・・・やっちゃった・・・」
鉄観音は溜め息をついた。
トラックの運転手は、何を思ったのか突然走り出した。
「あれっ?逃げやがった!!」
トラックは香織をひき逃げする。
「あっ!お姉ちゃん!!」
沙織が指を指す。
香織はバラバラの体が早くも再生していた。
各部分が眩く光り、一ヶ所に集まる。
「なるほど・・・あれがゾンビなんだな・・・」
鉄観音は初めて己の虔属を見た。
「なんか、魔法少女の変身シーンに似てないか?」
「お姉ちゃん!カッコイイ!!」
沙織は目を輝かせる。
香織は体が光から戻り、姿を現した。
「????」
香織の何かがおかしかった。