吸血鬼、頑張ります。
「お姉ちゃん!手がない!!」
沙織が指を指す。
「ああっ!トラックにくっついてっちゃった!!」
鉄観音は驚く。
「お姉ちゃん!さっきのトラックだよ!」
沙織が香織に教える。
香織は鉄観音を見詰める。
「王!追っても宜しいですか!」
鉄観音ははっとする。
「俺?ああ、良いよ!追っかけちゃいなよ!」
「追っかけちゃいなよ!」
沙織も鉄観音の真似をする。
「では、しばしお待ちください。沙織、お姉ちゃんちょっと行ってくる!王様をお願いね!」
「まかされたぁ〜」
沙織は手を挙げた。
香織は凄まじい速さで、トラックを追い掛けた。
「なんか・・・アレだな・・・ちょっとめんどくさいなぁ・・・」
鉄観音は呟いた。
「王様ぁ〜めんどくさいってなにがぁ〜?」
沙織の無邪気な声を聞きながら、頭を撫でた。
「あ、何でも無いです・・・。すいません」
香織の姿は見えなくなっていた。