吸血鬼、頑張ります。
−あなたがハルシュバーン公爵である事は、先程のフレーバーで解りました−
扉の内側の部屋からは、可愛らしい女性と言うか、少女の声が聞こえる。
「先程のフレーバー?えっ、もしかして、オナラの事?」
その問には返答が無い。
−あなたがハルシュバーン公爵である事は、先程のフレーバーで解りました−
同じ事を言う。
「あ、察しろって事ですね・・・」
鉄観音は、少しだけいたたまれなくなった。
「あの〜おそらく、人違いだと思うんです。
俺はハルシュバーンと言う名前でも無ければ、公爵とかの爵位も無い、フリーターなんですよ」
鉄観音は真面目に答える。
−いえ。貴方はハルシュバーン公爵様です。アナタの屁・・・。もとい、フレーバーは、東洋を太古より支配する吸血鬼一族独特の成分が含まれて居るのです−
「あの、屁って言いましたよね?今」
−言って無いです−
「いやいやいや、言いましたよ、屁って」
−言って無いです−
バコン!!
部屋の扉が、鉄観音の頭上に倒れるように直撃する。
「いってぇ!!!?」
「何?今の?何で扉が倒れて、又戻ったの!?」
部屋の扉は、何事も無かった様に元の位置に戻った。
−ハルシュバーン公爵様。
貴方が吸血鬼の王、ハルシュバーン公爵と認証されました−
「えっ!?何、急に?」
−掟に従い、3つ程、貴方に問います−
鉄観音は身構える。
「ど、どうしたの?問い掛けるって何を?」
声は鉄観音を無視して続ける。
−第一問、パンはパンでも硬すぎて食べられないパンはな〜んだ?−
「ええっ!?突然何が始まるのかと思ったら、なぞなぞなのっ!?」