吸血鬼、頑張ります。
簡単ななぞなぞを、意味ありげに出題する扉の内側の出題者。
彼女は、最後の問題を厳かに告げた。
−万物の王とは、神様である。yes?それともNO?−
「はあっ?何、その問題?確率なの?正解あるの?」
扉の内側は何も答えない。
その質問を聞いた香織は、膝を突いて頭を伏せる。
「なっ、どう言う事!?」
鉄観音は答えに窮した。
小学生でも解るなぞなぞの後に、いきなり哲学と言うか、宗教問題になるとは・・・。
「えっと・・・なんだ・・・答は・・・」
「NOだ!!何故なら、神様は人がいるから存在している!!」
−では、そこに居る貴女に問います。人を支配できる者は、誰なのですか?−
「はい。わが主、蕪木ハルシュバーン公爵様でございます」
瞬間、鉄観音の体は真っ赤に染まる。
湯気と共に、凄まじい高熱が鉄観音から発せられた。
「う、うがああああっ!か、体が!!」
鉄観音は絶叫し、扉が開いた。
−さあ、我らの王よ。吸血鬼の書庫に入り、宣言するが良い!それにより、汝は禁書を紐解く唯一の王とならん!!−
鉄観音は部屋に吸い込まれるように、入って行く。