吸血鬼、頑張ります。



「我が名は蕪木ハルシュバーン。東洋を支配する正統なるバンパイアの一族なり。
人も人成らざる者も、我が前にひれ伏すが良い!
此処に吸血鬼の王が誕生した事を正式に宣言する。
ぶわははははははっ!!」



宣言書には、

蕪木鉄観音(かぶらぎはるしゅばーん)と、平仮名がふられた宣言書が在った。


そこに自らの血液を染み込ませ、宣言書は真っ赤に染まり、霧の様に蒸発し、消えた。


消えたと同時に我に返る鉄観音。



「あれ、何だったんだ今の!?で、俺はめちゃくちゃ恥ずかしい事を言って居た気がするんだけど!?」


辺りを見渡す。


「い、いつの間にか部屋に入ってるじゃん!?か、香織ちゃん!ちょっとどう言う事なの?」



部屋の外に居る香織が、中に入ってきた。


すると、もう一人。

ゴスロリの真っ黒な格好の少女も一緒だった。


「き、君は?沙織ちゃんじゃ、無いよね?」



「王。私は太古より蕪木家に仕える執事です。主が不在の間、禁書を守る役目を担っておりました」


「し、執事?初めて知ったんだけど」


「普段はこの部屋に居て、執務を取り仕切っておりましたので」


「名はサザンクロス・クリスマスイブでございます」



「さ、サザンクロス・クリスマスイブ?太古から居るんだよね?なんか、最近ぽい名前だね」


サザンクロスは頬を染める。


「なんか、カッコいいかなって思いまして・・・。改名して、今がこの名前です」



鉄観音は驚くと同時に叫ぶ。


「意味わかんねえぇ!!」

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