吸血鬼、頑張ります。
「強引な方法って?」
鉄観音はサザンクロスに聞く。
「ハルシュバーン様も学校に行くのです」
『えっ!?』
二人は耳を疑い聞き返す。
「ハルシュバーン様が沙織さんと一緒に授業を受ければ、ハルシュバーン様を通して知識を蓄積出来ます」
「な、何だって!?そんな事が出来るの!?」
鉄観音は驚いた。
しかし、冷静に考えればそれは無理な話だ。
30も後半になった鉄観音が、小学生と一緒に授業を受けられる訳がない。
まして、沙織は知識を蓄積しても年齢は経過しない。
一生小学四年生のままなのだ。
「絶対無理だね。それ」
「はぁ〜・・・この中年、使えませんね・・・」
「か、香織ちゃん、ひどい・・・」
サザンクロスは二人のやり取りを聞いてまた話をした。
「それか、学校自体を虔属化させるか・・・」
・・・。
『いやいやいやいや・・・』
「まあ、無理ですよね」
サザンクロスは当たり前の様に言う。
「困ったな・・・。沙織ちゃんの為にも何とかしたいんだけどな・・・」
鉄観音は溜め息をついた。