吸血鬼、頑張ります。
佐々城ひよりは、蕪木森に迷い混んだ。
正確には林間学校を抜け出した。
鬱積した日々から逃れたかったのである。
つまりは、いじめを受けていた。
佐々城ひよりは林間学校において、溜まりに溜まったストレスから逃げ出した。
自らの命を絶つために。
小学生程、思い詰めた時には大人以上の精神的なダメージを受けている。
気付いた時には、周りも本人も驚くような結論に達する。
その結果、小学生の佐々城ひよりは富士樹海よりも強烈な蕪木森に迷い混んでしまった。
「もう、いいや・・・疲れちゃった・・・」
行くあても無く森をさまようひよりは、何度も同じ思いを反芻して、吐き出しては戻し、戻しては吐き出しを繰り返す。
「みんな大嫌い!嫌がらせをするあんな奴ら、もう二度と顔も見たくない!」
泣きながら森をさまよい、自分の思いをさらけ出していた。
「パパもママも全然解ってくれない!もう、こんなに辛いなら、居なくなって後悔させてやるんだから!」
ひよりは蕪木森を奥深く進んで行った。