吸血鬼、頑張ります。



「比較的蕪木森には、状態の良い遺体が集まりやすいのですね」

香織がイブに言う。


「ええ。香織さんその通りです。特殊な結界には凄まじくナーバスな人を集めてしまう特性が在るのです」

イブは続ける。


「その結果、蕪木家には虔属が増えて行きます。そう、蕪木家の仕事をしてもらう為に」


3人は一様に納得した。

「さて、そこで問題です。ハルシュバーン様。あなたがこれから為さるべき事は何でしょう」


鉄観音は考えながら頷く。


「そうか・・・。あの女の子に虔属の儀式を行えば良いんだね?」


イブは鉄観音の問いに答える。


「そうです。蕪木家の仕事には虔属の存在が不可欠なのです」


イブは部屋の扉を開けて、鉄観音を遺体が安置してある部屋へと誘う。


「さあ、王。ハルシュバーン様。あの者に不滅の命を・・・」



鉄観音はそれに従い部屋を出た。
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