吸血鬼、頑張ります。
「う、美味い・・・。何なんだこの飲み物・・・」
ビリビリと痺れる頭の中枢。
なんと言う感覚なのか・・・。
快楽を呼び起こし頭痛の様な痺れ。
喉を通る血の感覚。
鉄観音は喉を鳴らした。
ひよりは体を反らせ、小さく呻いた。
真っ白に変化し、血の気が無くなったはずのひよりの肌は紅潮する。
おそらくは、吸血鬼に吸血される快楽を、その小さな体で、はち切れんばかりに感じているのであろう。
鉄観音は貪るように血を呑んだ。
すると、ひよりは突然目を覚ました。
「やめんか!ボケ!!」
ひよりは鉄観音を首から剥がし、床目掛けて投げ付けた。
ハアハアと息を荒げ、仁王立ちして鉄観音を睨み付ける。
「いつまで少女の血を吸ってるんじゃ、このど阿呆う!!」
血を吸い尽くされたはずなのに、顔は紅潮して、興奮していた。
「あいたたたたっ!投げる事は無いじゃないか!」
鉄観音はひよりを怒る。
「アホんだら!投げたくもなるわ!なんか、すんごく気持ち良くて、恥ずかしくなるんじゃボケ!」
ひよりは捲し立てるように、鉄観音に言う。
「君は死んでは居なかったのか・・・」
鉄観音は事の顛末を悟った。