吸血鬼、頑張ります。
「如何なる攻撃をも無かった事にして、その肉体は再生します。
しかし、感覚や痛覚は人とほぼ同じ。今の肉体が滅ぶまで変わりません」
イブはひよりに言った。
「肉体の消滅を防ぐには、人間の生き血を吸い続けなければなりません。
この時、血を吸われた人間は吸血鬼には成りませんが、著しく体力と精神力を失い、同じ人の血を吸い続けると、その人はやがて死にます」
ひよりは驚いていた。
まさか、そんな常識では考えられない出来事が、自分の身に起きていると言う事に。
「尚、定期的に王に吸血して貰わないと、人格、鬼格が失われ、ただ血を求めさまよう低俗妖怪に成ってしまい、人間に排除されてしまいます」
イブは不死身属性の吸血鬼について、ひよりに大体の説明を行った。
ひよりは、仮死状態から蘇生した事により、不死身の吸血鬼に変化した。
沙織は死んでいた状態から復活したので、不老不死の属性である。
歳は同じでも、性質は全く異なった虔属である。
鉄観音は誤算だった。
不老不死属性なら、さほど問題も無いのだが、不死身属性はいささか意味合いが変わってしまう。
しかし、作ってしまったのだから仕方がない。
悩ましいのであった。