吸血鬼、頑張ります。


ひよりが行方不明になり、
消防による山狩りと、教師たちの捜索は徹夜で続けられていた。


もはや誰もが駄目だと諦め掛けていた時、不意に蕪木森からひよりが現れた。


捜索していた全員が安堵し、祝福ムードに包まれた。


初日から行方不明になったひよりは、現場の医師の診察を受けて体には問題が無いようなので、林間学校に合流する事になった。


林間学校は残り3日。


医師の診察によると、体力も特に衰えているわけではなく、本人は山中で足を滑らせ落下し、気絶していたと言う事だったが、頭を打った形跡は無く、傷も病の症状も全く無い事から、合流を許可した。


ただ、首筋に虫に刺された様な二つの傷だけが残っていたが、
おおよそ、山蛭に刺されて、できた傷なのだろうと結論付けられた。



学校はひよりの家族に無事を連絡した。
ひよりの家族は実にそっけ無く、「そうですか・・・」と、言っただけだった。


心配するでもなく、安堵するでもなく、無関心そのものの様な両親の口調に、学校は驚いていた。

ひよりはずクラスの宿舎に戻り、みんなと合流する。


しかし、クラスは歓迎ムードとは程遠い、明らかに見つかって迷惑だと言う視線と言葉をひよりに投げつけた。
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