吸血鬼、頑張ります。
「駄目だ!息をしていない!」
駆け付けた救急隊員が、姉妹の状態を確認して言った。
「睡眠薬を飲んでるのか!?」
警官が言う。
「心中か・・・」
諦めムードが現場に広がった。
ひとまず二人の娘を救急車に乗せる。
救急車は病院に向かい走り去る。
鉄観音は未だ呆然と立ち尽くしていた。
「ほら、あんたもひとまず病院へ行くぞ!」
警官は鉄観音をパトカーに乗せて、姉妹が運ばれた病院へ向かった。
大体の状況をパトカーの中で話した。
「あの住人は、ガスの元栓を開けて姉妹で無理心中したみたいだ」
警官は鉄観音にそう言った。
「余りにも貧乏で、遂に死ぬことを覚悟したらしい」
病院に着いた鉄観音は、治療を受けたが、別段大した怪我ではない。
と、言うより、吸血鬼の特性上怪我や病には掛からない。
すぐに小さな怪我などは回復してしまうのだった。
医者も不思議がり、ひとまず病院に一泊する事に成った。