吸血鬼、頑張ります。
「王。この様な状況でも尚、あの二人を学校に通わせたいのなら、未だ方法は幾つかあります」
意外な答えだった。
イブは鉄観音に諦めろと言っているのだと思っていたからだ。
「幾つかの方法って?」
「はい。
まず一つ目は、前にも言いましたように、王自ら学校に通う事。
王を通じて得た知識は、香織さんも、沙織さんも吸収できるのです」
「ああ、言っていたよね。俺を守るために必要な知識は蓄積されるみたいな事」
「そうです。なので王も小学生として学校に行けば良いのです」
「行けるわけ無いじゃん!!」
「何故ですか?ガチロリの幼い頭なのですから、何の問題も無いと思うのですけど」
「イブちゃん、わざと言ってるだろう」
「ふふふ。
まあ、お馬鹿のからかいはこれくらいにして。
次に提案するのはこうです。
王自ら学校を作る。
です」
「えっ?そんな事可能なのかな?」
「はい。何処かの廃校を借りて、学校法人を申請して作ります」
「う〜ん、その場合生徒は地域の子供とか?」
「まあ、それも良いですが、いっそ妖怪専門学校を開校するのは如何ですか?」
「あ、それ面白いかも。俺も勉強になるし、色々これからの役に立ちそう」
「いやいや、あなたが吸血鬼にした女子をたくさん集めて、学校を開くんです」
「えっ?ダメじゃん!俺すんごい大変じゃん!」
「大変ではありません。変態なのですあなたは。
良いじゃないですか、ガチロリ校長キャッハウフフの吸血鬼学園。
自ずとハーレムが出来て、虔属もたくさん見つかって、沙織さんもひよりさんも、香織さんだって大満足ですよ」
「ダメだよ。それこそ人間と全面戦争に成っちゃうよ」
「はぁ〜・・・。アレも駄目、これも駄目・・・。バカで変態のクセにわがままですね」
「イブちゃん、かなり熱く俺をディスってるよね。なんか、悪いことしたかな・・・」
「仕方在りません。
王は教師として、二人が通う学校に入って下さい」
「えっ!?それ、一番選んじゃいけない選択肢だよね?」
「良いんです。いざとなったら吸血鬼の力で何とか成りますから」
「うわっ!強引な!一番言っちゃいけない奴だよそれ」
「沙織さんはともかく、ひよりさんは成長します。細胞が異常に再生するのが早い事と、吸血しなきゃいけない事以外は普通の女子と変わりません。
なので、学校には行かせないと駄目なんです」
「此処に来て正論!イブちゃん、恐ろしい子!!」
二人のやり取りは、ある程度まとまった。
結論は、
教師として鉄観音は、二人が通う学校に一緒に行く。
その為には、魔導師組合の力を借りる必要がある。
と言う結論に達した。