社長の溺愛
おい、こいつはこの間ぶつかった社員じゃないか?

こいつがドイツ語を話せるのか

今もボーッとしてやがる

ポーラ、なぜこいつなんだ


チラッとポーラをみれば、
いいでしょぉ~
いらないって言ったら私も辞めるわよ

って心の声が聞こえる顔で、こっちをみてやがる

ふざけるなよ

「きみ」

「本日付で...」

おい、俺の声にかぶせてきやがって
人の話しを聞けよ


だが、近くで聞くこいつの声は
安心するな

はっ、ヤバイぞ

ポーラをみると
ニヤリとしていやがる
さっきの俺の顔を見たのか

バッチリ
これで、いらないって言ったらさっきの顔の事、山口麗美に言うわよぉ


はぁ、顔みただけで声が聞こえた

ポーラはこいつの事を、かってるんだな

まっ、仕方ない


「今日からよろしく、あとはポーラに聞いてくれ」

「はい、分かりました。」


もう少し声が聞きたくなって

「君は何ヵ国語話せるんだ?」

「はい。英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語です。」

「なかなかだな。全て挨拶程度か?」

「英語、スペイン語、ドイツ語は通訳ができるぐらいです。フランス語は日常会話には問題ない程度です。」

「そうか、分かった。下がっていい」


ならなぜ、海外事業部にいなかった?

そこにも、こんな語学力があるやつなんて、そうそういないだろう

「ポーラは残れ」


「失礼します」




< 30 / 155 >

この作品をシェア

pagetop