その瞳をわたしに向けて
「美月どうする?あんまり楽しんでないみたいだけど、帰る?」
正直まだ1時間くらいしかたってないけど、あの肉食女子軍団に目をつけられちゃったし、瑠璃子と一緒にいても邪魔になりそうだ
「帰ろっかな、大丈夫タクシー拾うから、瑠璃ちゃんはまだいてよ」
少し不安そうな顔を見せる瑠璃子を安心させる様に携帯を見せて、帰ったらメールすると言った
「………美月、今度はちゃんとご飯たべに行こう。何かあったらいつでも電話しなさいよぉ」
そう言って別れた。本当に心配性なんだから……
「9時前かぁ……」
何となく中途半端な時間帯、仕方なくタクシーを拾うか考えながら、取り敢えず駅の方向へ歩く
今日もしかして忙しかったかなぁ……
ふっと、蛍光ペンでチェックして直した書類の方まで一緒に提出しろ、と言われた仕事を思いだした
結局そのまま立花との机の間に置いたまま、お願いしてきた
もしかして、まだいるかもしれない……
いつもならそう思わないけど、瑠璃子の巨人兵発言に何となく不安になってきた
方向を変えて会社に行ってみると、部署のフロアーの明かりはついていた
コンビニで簡単に甘いお菓子を買って、美月は7階フロアーへ向かった
ヒールも通勤用に履き替えたいしね……