その瞳をわたしに向けて

松田の答えにムウッとして、そう言うと視線だけ美月に向けてきた

二重で切れ長の瞳に一瞬ドキッとさせられる

「お前は俺に酔って絡んできたり、普段他の奴の誘いは断って、この車にはホイホイ乗ってくるし、助手席で無防備に眠っちまったりするのに、よくそんなこと言えるなぁ…………」


「うっ…………」

ここまできて、やっぱり説教されてる。
私、間違ってないよねぇ




「…………まあいいや、じゃあ今のはなし」

呆れたように小さく溜め息をついて、そう言いきった松田

じゃあってなによ、じゃあって………


「取り敢えず『友達』だな」


「はぁ…………?」

訳の分からない事を言い出す松田に、間抜けな声をだした。

松田が美月の方を向き直すと、ふんっと鼻を鳴らす

「付き合う訳じゃなかったら、友達だろ」
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