その瞳をわたしに向けて
そう思いながらも書類を経理部へ持っていくと、案の定不満全開で問い詰められる

松田さんの書類だ、後で本人に直接聞いてくれとその場を逃げておいた。


一度会社を出て、少し本屋で時間を潰し隠れるように駐車場に行くと、既に松田が先に来ていた。

助手席に乗り込むと、少し外から見えにくい様に体勢を低くして座った

「なんだそれ………また眠いのか?」

松田が不思議そうに見る

「…………だって何かへんじゃないですか、私と松田さんが一緒に車に乗ってるって」

俯いたまま会社から遠くなったのを確認して普通に座り直した。

運転する松田を視線だけで見上げた

「鈴政に行きたいから一緒に行くんです。あくまでも松田さんとはお友達ですから」

「はい、はい」

そう余裕の顔を見せる松田



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