その瞳をわたしに向けて
料理は確かに得意ではないなぁ………。
大学時代の一人暮らし、二人暮らし共に炊く、炒める、焼くくらいはしていた。
でも、ほとんどコンビニ、デパ地下、外食に大変お世話になっている。
あれって便利だよね食べたいものがちょっとずつ買えるし
「出来ないんじゃん」
松田に言われると、また最高潮にムカつく
そんな二人のやり取りに美鈴が割って入る
「違う違う、料理が出来るとかそう言う事じゃなくて、ほらっ美月ちゃんお箸の持ち方とかちゃんとしてるでしょ」
ん?っと二人美鈴の方に顔を向けた後、美月の右手に注目した
「お魚の食べ方とか、お椀の手の添えかたとか、食べる姿勢だとかね、良くしつけられてるなって思って。
料理なんてやれば誰だって出来るんだから。でもね、そうゆう習慣は子供の頃から出来てないと無理な事なんだよ。」
「……………」
ちょっと照れる美月の隣でふうんと横目で見る松田
「お嬢様的なたしなみって感じか…………」
そんな言葉をボソッと呟いた松田
……………褒められている気がしない。今絶対立花さんと比べたよね
だって、料理は彼女完璧なんだもん…………