その瞳をわたしに向けて

「他ってなんですか、こんな時間に人のこと呼び出しておいて、本当に何やってるんですか、もう…………」


実際、松田の立花に対する本音は、美月も聞いたことがない
話さないで仕舞い込んでいるのは、彼なりの自尊心なのだろう


目の前で項垂れる長身の男を見て、深い溜め息をつく


「……………コーヒー入れるだけですよ」


仕方なく松田を、招き入れた

玄関を閉めて靴を脱ぐ松田にスリッパを出し、顔を上げると同時にゆっくりと覆い被さってきて、キュッと抱き締められた


「…………っちょっ」

やっぱりお酒臭い、ザルだって聞いたけど、どれだけ飲んだの?

回された腕に手を掛けてほどこうとしたのに、簡単には身動きがとれない

「まっ松田さん?」

「…………男、部屋に入れた時点でそうゆう事だろ」

耳元に寄せてきた口から低音に響く声で言われて肩を震わす

「ちが………まってっ、んんっ…………」

廊下の壁に追いやられて、抵抗したものの松田と壁に挟まれ、キスで口を塞がれた
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