その瞳をわたしに向けて

「泣くな、バカ」


気が付けば、目尻が熱くなっていつの間にかポロポロと涙が落ちていた



知ってるもん。
好きで胸が潰れるほどの気持ち…………

颯太くんに振られて、いろいろあったけど瑠璃ちゃんとルームシェアして何かと立ち直りつつあった頃、颯太くんに新しい彼女ができたっけ

あれは言いようもないほどのショックだった。颯太くんのサークルの後輩で私の知ってる子だったが、萌子ではなかった。


二人を見掛けるたび身体が言うことをきかないほど、鳥肌と心臓の痛みが襲った。


そんな思いが、松田にずっとあったのかと思うと胸が痛くなった



「たくっ…………」


松田が美月の処へ静かに移動して、隣に座り頭をわしわしと撫でた
< 152 / 432 >

この作品をシェア

pagetop