その瞳をわたしに向けて
「泣くな、バカ」
気が付けば、目尻が熱くなっていつの間にかポロポロと涙が落ちていた
知ってるもん。
好きで胸が潰れるほどの気持ち…………
颯太くんに振られて、いろいろあったけど瑠璃ちゃんとルームシェアして何かと立ち直りつつあった頃、颯太くんに新しい彼女ができたっけ
あれは言いようもないほどのショックだった。颯太くんのサークルの後輩で私の知ってる子だったが、萌子ではなかった。
二人を見掛けるたび身体が言うことをきかないほど、鳥肌と心臓の痛みが襲った。
そんな思いが、松田にずっとあったのかと思うと胸が痛くなった
「たくっ…………」
松田が美月の処へ静かに移動して、隣に座り頭をわしわしと撫でた