その瞳をわたしに向けて
松田 side
*
暫く、グズグズと腕の中で泣いていた声が溜め息に変わり、そのうち静かになっていった。
「しんじられねぇ…………」
真っ赤な目尻から、まだ涙さえ目に残ったまま寝息をたててやがる………
どれだけ安心しきってるんだ本当に、赤ん坊かこいつは…………
仕方なく抱き上げて、ベッドに寝かせた。
沈めた顔に掛かった髪の毛を掻き分け、目から落ちかけた涙を手で拭った
無防備なその寝顔に思わずふふっと頬が上がる
無意識に美月の桜色した唇に顔を近づけた
『これはセクハラですよ』
前にお友達宣言したとき、確か清宮に言われたなぁ…………
「………………つい」
スースーと寝息をたてる美月の前で、自分の額を手で覆い項垂れる
…………ここ数日、頭の中は立花の事ばかりだったはず、それがどうしてここに来たのか
会社の人間には手を出さないつもりだったのに…………
ああ、あの時だ。
こいつが酔っぱらって誘ってきた時だ
…………理性を保てなくなるこの唇が悪い
眠り込んでいる美月の唇をぷにぷにと指で
つつく
「これは『好き』じゃないか………」
美月のベッドの前に座り、頬杖がついた
暫く、グズグズと腕の中で泣いていた声が溜め息に変わり、そのうち静かになっていった。
「しんじられねぇ…………」
真っ赤な目尻から、まだ涙さえ目に残ったまま寝息をたててやがる………
どれだけ安心しきってるんだ本当に、赤ん坊かこいつは…………
仕方なく抱き上げて、ベッドに寝かせた。
沈めた顔に掛かった髪の毛を掻き分け、目から落ちかけた涙を手で拭った
無防備なその寝顔に思わずふふっと頬が上がる
無意識に美月の桜色した唇に顔を近づけた
『これはセクハラですよ』
前にお友達宣言したとき、確か清宮に言われたなぁ…………
「………………つい」
スースーと寝息をたてる美月の前で、自分の額を手で覆い項垂れる
…………ここ数日、頭の中は立花の事ばかりだったはず、それがどうしてここに来たのか
会社の人間には手を出さないつもりだったのに…………
ああ、あの時だ。
こいつが酔っぱらって誘ってきた時だ
…………理性を保てなくなるこの唇が悪い
眠り込んでいる美月の唇をぷにぷにと指で
つつく
「これは『好き』じゃないか………」
美月のベッドの前に座り、頬杖がついた