その瞳をわたしに向けて
PM 6:00

定時で、着替えてわさわさと早く帰る人はロビーを通る

美月もそこそこ早い方だが、1階ロビーに着くと既にそこには期待をこめてエレベーターを見つめ、休息スペースのソファーで松田を待つ山田の姿があった

その前をゆっくりと通り過ぎる




「……………なんで?」

美月の携帯に、いつものように松田から鈴政に行く誘いのメールが届いて

PM 7:00には美月のマンション前に松田の車が迎えにきた

「鈴政いくんだろ、早く乗れよ。なにやってんだ?」


「山田さん、ロビーにいましたよ。食事に行くんじゃなかったんですか?」

ママのお帰りなさいの笑顔に迎えられて、いつもの場所に座る


「なんだよ、今度は人の話の盗み聞きか?」

ムッ…………なによ人が心配してるのに


「そんなの他の人だってみんな知ってます。山田さんが自分で言ってるみたいだし」
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