その瞳をわたしに向けて
何となく入り辛い会話に、美鈴は取りあえずおしぼりを出したて注文を聞いてきた
会話を中断させて定食の注文をする

先に出された水を一口飲んで仕方なさそうに口を開いた


「別に、ちょっと相談を受けただけだ。昨日だって偶然俺の行く牛丼屋にいたのを声かけられただけだし」


「へっ?ランチ二人で食べに行って、その後コーヒー飲みに来てたんじゃないんですか?」

深い溜め息をついて、ほらっ勝手な想像してやがると不機嫌な顔をする松田


「牛丼屋で会計が一緒になったが、並盛りに一万円札出して店員に嫌な顔されてるから奢っただけだし、一万円崩したいからコーヒー付き合ってくれって言われてあそこに行っただけだ」

「牛丼屋…………」

本当、勝手に想像してました。
もっと色っぽく………


「でぇ?何だったの、その受けた相談って」

美鈴ママが、それはもう楽しそうに会話に入ってきた。

松田の視線が美月を疑るように向けられる


「人に言ったりしませんよ、絶対に」

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