その瞳をわたしに向けて

「くだらねぇ………自分がどれだけ会社で浮いてるかいい加減気付けよ」


吐き捨てる様に美月に向かって松田が言う事に、腹がたって悔しくて仕方なかった。

目を伏せて下唇を噛んだ


「何よ………立花、立花ってバカみたい」


「降りろっていってんだろっ!!」

大声を出す松田に、ビクッと体が固まる美月


「怒らなくったって降りますっ!!」


そっちが乗れって言ったんじゃんっ!

ドアに手を掛け降りる美月


「おいっ……タクシー代」

松田が無造作に五千円札を差し出す


美月はその五千円札を受け取るとすぐに、くしゃくしゃに丸めて松田の顔目掛けて投げつけた

「いりませんっ!」


車のドアを怒りを込めて思いっきり閉める。
美月が降りたと同時に松田の車は走り出し、行ってしまった


最低っ 何あれっ 信じられない………
ってかここ何処?!


美月はスマホで現在位置を確認する

近くにの駅まで徒歩40分………

10㎝あるパンプス、これじゃ40分なんか歩けない……タクシー拾えるかなぁ


取り敢えずタクシーが拾えそうな所まで歩きだした



松田が美月の言った事に腹を立てる理由は分かっている………



だって…………彼は立花さんが好きなんだだから。

そんな事、見てれば分かる………
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