その瞳をわたしに向けて
シートベルトを外し、ドアに手をかける
「すみません。今日また奢ってもらっちゃって、今度はちゃんと私が奢って借りは返しますからね。ご馳走さまでした。」
「清宮、今日お前何かあったのか?」
一瞬振り返り松田を見て、直ぐに目を逸らした。
『この前なんか、総合受付の子たちとの合コンに来て、誰か1人お持ち帰りされたらしいよぉ』
もし……………
今ここで、松田さんに部屋に来ませんかって言ったら、この人はどうするだろう………
もしも、あの時付き合ってたら、合コンへ行った松田さんを怒る事ができたのかな
それに………山田さんに対して、罪悪感なんて持たなかっただろうか
「清宮?」
ふっと肩を小さく落として顔をあげる
「少し寝不足で調子が悪かっただけです。今日はしっかり睡眠とりますから、お休みなさい。」
そのままドアを閉め、マンションへ振り向かずに帰った。