その瞳をわたしに向けて
「どうしたの?誰か捜してるの?」
空いているだろう会議室の扉をそっと開けながら、中に人がいないか確認する美月を見て、声を掛けてきた堀内
「…………あ、えっと松田さんを」
「松田捜してんの?もう定時過ぎてるよ」
前に見たときと同じように、笑顔で目と目尻がくしゃりと重なった
……………この人誰だっけ?確か立花さんと同期の人だっけ
「松田さんに確認してもらわなきゃいけないメールがあって、みんな忙しくてPCも置きっぱなしで………」
時間がなくて多少イラついていた。
「自分の携帯だったら持ってるんじゃない?かけてみたら」
あ…………そっか携帯
美月は自分の携帯から松田の番号を探した
「へぇ~清宮ちゃんって松田と携番交換してるんだぁ。」
番号をタップしているその後ろから、そう言って堀内が携帯を覗き込んできた