その瞳をわたしに向けて
「初めまして、美月の友達の岩槻瑠璃子(イワツキルリコ)です。美月の会社の人に会うのは初めてね、堀内さんと松田さん?」


「お友達もさすが美人だね。」


嬉しそうに言う呑気な堀内だが、もう既にフロアー内の視線と空気がここに集中している

ありがとうございます、とニコリとする瑠璃子。そのまま美月の方へ視線を移す


「美月、まだあっちで支配人さん困ってるわよ。行かなきゃ」


「…………うん」

美月がチラリと松田の方を見る


「大丈夫、ちゃんと説明しておいてあげるから、ほらっ呼んでる」


「……………」


さっきいた輪の中の50代くらいの男性に「美月様、堂上様がいらっしゃいました」と耳打ちしてきた。

分かりました、と小さく言って松田達の方を見直した。


「ゆっくりしてってくださいね。」


そう言って、奥のVIPグループの方へ戻って行った



< 193 / 432 >

この作品をシェア

pagetop