その瞳をわたしに向けて
しかし、なんとも馴染めないな……………
堀内が食事を取りに行っている間松田と瑠璃子が二人になった。
「松田さんは、とてももてそうですね。そちらにいる女の子達が話したがっているみたい。私は遠慮した方がいいかしら」
少し離れたところで3人ほどの女子がこちらをチラチラと見ている
「いや、ここに居てくれ」
彼女の威圧的で存在感のあるおかげで面倒臭いのが遠のいてくれて助かる
「彼女たちだって、ビジターチケットで来たとしても会員のお友達だからどこぞかのお嬢様かもしれないわよ」
「いや、そうゆうのは別に………」
松田のその物言いにふうん、と横目を流す
瑠璃子の視線の先にいる堀内は、食事を取り分けながら近くにいる女の子に声をかけたり
そうかと思えば堪能な英会話で外国人ビジネスマンと談笑していたりしていた
松田を見据える瑠璃子
「じゃあ、今日は何のために来たのかしら」
そう言われて、目を叛けシャンパングラスに口をつけると、美月がこちらを気にしているのに気づいて、瑠璃子が軽く手を振った。
「心配しなくても美月にお酒を飲ませちゃダメだって事はここのスタッフみんな把握してるわ」
「……………」
「美月って会社の後、こういったイベントパーティーに結構無理に連れ出されることがあるの、決して合コンなんかしてる訳じゃないのよ。でもまあ、お見合いみたいなことさせてるんだから合コンとも代わらないかしら、本人には自覚がないけど…………」