その瞳をわたしに向けて
「好きになった人?」
瑠璃子はふふっと息を吐くように笑った
「そう、年齢にあった資産家と無理になんて結婚させるのは簡単だけど、肝心の美月がその人じゃないとダメって言わないとって絶対条件」
「そんなの、お見合いじゃ無理じゃん」
いつから聞いていたのか、堀内が適当な食事を持って戻ってきた
「あっ杉村常務の場合は清宮ちゃんが好きになったんだっけ…………」
多分、噂を本当だと思ってる堀内は清宮が常務と結婚するために会社に入ったと思ってるだろうな…………
松田と瑠璃子がいつの間に腰をおろしていたソファーとテーブルに堀内の持ってきた食事をおいて一息ついた。
「松田さん」
ふと、瑠璃子に話しかけられ顔をあげる
「さっきの美月の条件の話、逆に考えれば美月を落とせば清宮コンツェルの役員にまで出世できますよ、だって美月パパは美月に甘いから…………」
「……………?!」
意味ありげに口角をあげる瑠璃子に、松田は眉を歪ませた
ゆっくりその場を立って堀内をみた松田
「堀内、悪いもう帰るわ。」