その瞳をわたしに向けて

「ぷっ………お前、さっきまで綺麗に振る舞ってたのに、俺の前だと普通かよっ、せっかく可愛いのに。」

クスクスと目の前で笑う


「かっ……………!!!」

かっ可愛いって……………


急に俯く美月を不思議そうに覗き込む松田

「!!」



「どうした………?走ってきてまさか酒が回ったのか?顔が赤いぞ…………」

「ちっ違いますっ………飲んでませんから」


「そうか」


気を取り戻して松田を見上げる

「あのっ、もしかして瑠璃ちゃんがなにか、あの子メイクもあんなだしきつく見えますけど、すごく心配症で本当はとってもやさしくて…………だから」


一生懸命の美月の頭にふわりと松田の大きな手がのった


「わかってる。べつに他愛の無いこと話してただけだ。心配するな」

「だって、もう帰るって…………」

不安そうに見せる美月に首を振った

「堀内に急に誘われて来たが、食事もして、少し酒も飲んだ。まだ気になる案件があるのを思い出したんだ………」


「そう………ですか」

松田がフッと息をついた

「大変だな、前に合コンになんか行ってるなんて言って悪かったな。」


「へっ……………?」


「ああ…………いや、お前の友達が別に好きで会社帰りパーティーみたいなところに行ってる訳じゃないって言ってたから」


「……………」


でも、仕事放り出して行ってたのは事実だし…………


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