その瞳をわたしに向けて
温められない気持ち
「堀内さん、コーヒーなら御自分のフロアーで入れてもらってください。」
昨日から美月がコーヒーを頼まれる3時頃になると給湯室にやって来る堀内
「うちの女の子って、みんな総合職でコーヒーは入れてくれないんだよねぇ。飲みたいなら自販機行けって言うんだ、酷いだろ」
「じゃあ、自販機行ったらいいじゃないですか。」
なんか、なつかれてるし……………
「氷の入った清宮ちゃんのアイスコーヒーが飲みたい」
「その呼び方止めてください。」
なんだか安っぽい芸能プロデューサーに呼ばれてるみたいだ
堀内は相変わらずニッコリと目尻の皺を作りながら笑う
「じゃあ、瑠璃子ちゃんの携番教えてくれるように頼んでくれないかなぁ、清宮ちゃん」
………………結局そっちか
「瑠璃ちゃんがこの前教えなかったなら、もう無理ですよ。だいたい瑠璃ちゃんは一応婚約中なんですよ。」
「だってそれはカモフラージュなんだろ?それに俺だっていいなって思って、また話したいって思ってるだけだよ。いけないことかなぁ」