その瞳をわたしに向けて
いや、別に知り合いってほどでもないんだけど…………
「誰かに用事があったんじゃないんですか? 私はたまたまコーヒー入れてたら、堀内さんも飲まれるっていうから入れてあげただけですけど」
とりあえずそう言っておこう。
納得なんてしていなさそうな顔をして、第2会議室のドアを開けてくれた
「ならいいけど………人柄良さそうに見えるけど、あの人結構遊んでるから、清宮さんも気を付けて、もし何かあったら相談にのるから」
「はぁ………」
堀内さんのことを、一条さんに相談………?
考えただけでも面倒臭いでしょ
会議室に入ると、そこには松田も立花もいて、山崎主任を中心にミーティング中みたいだった。
「少し休憩にしようか」
コーヒーを置くと山崎主任が広げた書類をまとめ始めた。
「ありがとう。美月ちゃんもここで休憩しよ」
今日は田中さんが休みなので気を使ってくれて、立花がそう言った。
空いてる椅子は、立花と松田が隣同士で座る向かい側しかなくて、何となく二人が話しているのを自分が入れたコーヒーを飲みながら聞いていた。
盲腸炎になった人の、仕事の割り振りと段取りのミーティングらしく、結局休憩してても仕事の話から離れられないらしい
「そういえば、さっき海外事業部の堀内さんが来てましたよ。誰かに用事だったんですかねぇ」