その瞳をわたしに向けて

「立花さんっパーティーまでまだ時間ありますよね、ちょっと私のメイク道具持ってきますから、少し時間ください」

急いでメイク道具をロッカーから持ってきた


「田中さん、すみません。立花さんの用意ギリギリまでかかりますって伝えて来てもらえますか?私の仕事も少し中断させて下さい、お願いします」

何が始まるのか分からず、分かったと田中さんがトイレから出ていった


化粧道具を揃えるのも好きな美月のメイク道具は、結構プロ並みに揃っている


まずは眉のカットから始めた。本来なら今ある化粧をすべて落としてやりたいところだが、そんな時間は無さそうだ


立花に合ったリキッドファンデーションを選び、頬の高い位置にはクリームチークを仕込む。
クマをコンシーラーでカバーしてフェイスパウダーを顔全体にふんわりのせる。


印象を良くするしっかり眉を作り、ノーズシャドウで顔立ちをハッキリさせる。


アイメイクは茶シャドウをブラシでふんわりとアイライナーは長めに描いて、マスカラはしっかりと重ね付け、カールアップをかける。


チークをブラシでほんのりのせてハイライトでメリハリをつける。


リップメイクも、すぐに落ちないように一度リップクリームで唇を整えて、派手すぎないルージュに同色のグロスを塗る。



「美月ちゃん………私、何されてるのか全然分からないんだけど………」

「あ~~~もうっ喋らないで下さい、動かないっ!これでも急いでやってるんですから、じっとしてて下さい。目もつむってて!!」


黒髪でショートヘヤーの立花の髪型をムースで少しボリュームを持たせて整える。


イヤリングは、シンプルに大きめなパールで、それに合わせて小さめのパールを集め
重ねて巻いた長めのネックレスを着けた。


「ヒールは今のままでいいと思いますけど、履き慣れてないなら靴擦れしないように、絆創膏を貼っておくといいですよ。疲れない様に歩く事と、姿勢良くして下さいね。」


「はっ……はい」

< 22 / 432 >

この作品をシェア

pagetop