その瞳をわたしに向けて
「清宮っ」
部署内で清宮を見つけて呼び止めた
ゆっくり振り向いた彼女は、なぜか無表情で
「松田さん、さっき山田さんがわざわざ出向いてくれてましたよ。この前の出張報告書まだですかって、すぐ連絡してください」
「あ、ああっ分かった」
そのまま取りつくしまもなく、パソコンに向かってしまった
なんだ…………?!
まるで喋りかけるなって雰囲気だして………
「……………?」
Puruuuu…………Puruuuu ……………Puruuuu …………
プッ
『只今、電話に出ることができません…………』
携帯の着信が留守電に切り替わり、仕方無く電話を切った
金曜日 美月のマンションの前で車を停車させ、かけた携帯に出る様子もない
「部屋に電気着いてんじゃねぇか…………」