その瞳をわたしに向けて


「…………遠恋してたんじゃないんですか?」


聞き役に徹していた美月は、すっかり理沙への警戒心がとけていた


「連絡すっかり断ち切っちゃったもん。音信不通………」

ペロリと舌をだす理沙


「辛いだけだったのよ春香を見つめてる剛平見るのが………」



「そんなのっ」  ドンッ

美月が握り拳でテーブルを叩いた


「悪いのは松田さんじゃないですかっ!」


「あはははっ、清宮さんもそう思う? 私もあの頃は腹立ててばかりいたのよ」

もう他人から見たらとっても仲のいい飲み仲間に見えるだろう


あれっ私ったら興奮したせいか、ちょっとクラクラしてきた…………


「清宮さんって、なんか可愛いんだぁ。
顔が真っ赤ぁ」

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