その瞳をわたしに向けて



仕事はそれほど残業するほどではなかったはずだった。

なのに、なぜか身が入らない…………

昨日清宮が言ったことの意味が分からない


『忙しいから…………松田さん、私なんかよりもっと自分のことに時間使ってください。』

『心配しないでください。私、松田さんの邪魔なんてしませんから』


「…………」




Pi Pi………Pi Pi ………Pi Pi ………PiPi …………


理沙からの着信だった


明日は休日だが、打ち合わせが入っているのと、その打ち合わせ資料を少しでも今日やっておこうと、ダラダラとパソコンに向かっていたところだった

「なんだ? 理沙、実家か?」


『剛平、まだ残業? 実は今ね……………』




「!!!」



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