その瞳をわたしに向けて
*
仕事はそれほど残業するほどではなかったはずだった。
なのに、なぜか身が入らない…………
昨日清宮が言ったことの意味が分からない
『忙しいから…………松田さん、私なんかよりもっと自分のことに時間使ってください。』
『心配しないでください。私、松田さんの邪魔なんてしませんから』
「…………」
Pi Pi………Pi Pi ………Pi Pi ………PiPi …………
理沙からの着信だった
明日は休日だが、打ち合わせが入っているのと、その打ち合わせ資料を少しでも今日やっておこうと、ダラダラとパソコンに向かっていたところだった
「なんだ? 理沙、実家か?」
『剛平、まだ残業? 実は今ね……………』
「!!!」