その瞳をわたしに向けて
「理沙っ!!」
松田が騒然とする居酒屋で理沙たちの場所を捜す
その声に気づいた理沙が個室の襖を開けて手を振った
「剛平っ こっち こっち」
理沙のいる席に向かうと、そのテーブルで組んだ右腕に右頬を乗せ、静かに眠り込んでいる美月がいた
その姿にホッとして、理沙の方に視線を向けた。
「お前、こいつにどれだけ飲ませたんだよ」
「えぇ………この子がウーロン茶頼んだのしか知らないし、私が注文したお酒勝手に飲んでたみたいなんだけど…………」
松田が溜め息をついた
「理沙は人にペース合わせないで飲むから、いつも相手が先に潰れちまうんだよ」
その松田の言いように少し口を尖らす理沙
「だいたい…………何で二人で飲みになんか、そんなに仲良かったか?」
はぁっと美月の隣で肘をつくと、人の気配に気づいた彼女が目をトロンとさせて見上げてきた
「……………あっ松田さんだぁ」