その瞳をわたしに向けて

「その子と私の違いってなんだろ………」

「違い?」

ふふっと笑い顔を上げる理沙

「ただ、羨ましくて………私はあの頃そんなに心配して貰えなかったから」

「…………理沙」

松田は理沙を見つめて小さく息をついた



「そんなの今の彼氏にして貰えばいいだろ」



「はいはい、そうするわ」と理沙は頬を緩ませ、照れ隠しにグラスのウイスキーの水割りを飲み干した




「剛平…………色々相談にのってくれてありがとう。ごめんね、大阪出張でいきなり私に未練があるように振る舞ってほしいなんて頼んだりして。おかげで彼からこの一週間毎日電話がきてたわ。」


「ったく勘弁してくれよ………本当にに大阪戻ったらちゃんと説明しとけよ、お前の年下彼氏に、仕事やりにくくなるから。」


「ふふっ、お互い社内恋愛は難しいわね」


社内恋愛って…………
この清宮の状況じゃ無理だろ

「この子の場合、無理にでも溜め込んで
る気持ち聞き出さないとダメよ」



「……………分かってる」




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